シャンプーに使われる洗浄成分、それぞれの特徴と違い
●高級アルコール系(石油系)の特徴
石油系の洗浄成分は、高級アルコールを原料にしている洗浄剤で、ラウレス硫酸ナトリウムや、ラウリル硫酸ナトリウムとして成分表記されています。高級アルコール系界面活性剤とよばれることもあり、量販店やドラッグストアなどで一般的に売られているシャンプーは、おもにこの高級アルコール系の洗浄剤が利用されています。
頭皮が汚れていても泡立ちがよく、価格も安いのが特徴ですが、成分の名前に硫酸と入っているほど洗浄力が高いため、頭皮や髪の毛を乾燥させてしまい、痛める原因にもなりえます。抜け毛やかゆみ、フケなどの原因は、頭皮の乾燥の場合も多いので、利用には注意が必要です。
●石けん系の特徴
石けん系のシャンプーは、髪や頭皮に優しいというイメージを持っている人が多いのですが、その理由は、植物由来の成分が含まれているシャンプーが多いからです。石けん系シャンプーの成分表を見ると、石鹸素地や、脂肪酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウムなどと表記されていますが、これらはすべて植物由来の成分です。そのため、一般的な石油系のシャンプーは弱酸性から中性ですが、この石けん系シャンプーは、弱アルカリ性というのも大きな特徴の1つです。
泡立ちはそこまで良くありませんが、少ない量でも高い洗浄力があるため、自然派の方からは絶大な人気があります。ただし、洗浄力が高いかわりに、シャンプー終わりはキシムような感覚があるため、この感覚が苦手な人も少なくないようです。
また、植物由来の成分を使っているからといって、頭皮にとってもすべていいかというとそうではなかく、敏感肌や乾燥肌で悩んでいる方にとっては、高い洗浄力があだとなり、頭皮に負担をかけてしまう可能性もあります。植物由来だから良さそうというイメージだけで利用すると、かゆみやフケの原因を作り出してしまうこともあるため、肌タイプと相談しながら利用しましょう。
●アミノ酸系の特徴
アミノ酸系のシャンプーは、高級アルコール系と、石けん系の弱点をなくしたようなイメージのシャンプーで、肌や頭皮にとても優しいのが大きな特徴です。洗浄力も高すぎず、刺激も少なめで、弱酸性のためキシムような感覚もほとんどありません。成分表には、メチルタウリン、ココイル、グリシン、メチルアラニン、グルタミン酸、サルコシンなどと表記されていて、天然由来のオイルが配合されているシャンプーもたくさんあります。
少し高めの美容室や、美容室のシャンプーオプションをつけたときは、このアミノ酸系のシャンプーが利用されることが多いようです。そのため、石油系のような一般的なシャンプーよりも値段は高くなります。
●PPT系の特徴
PPT系のシャンプーは、とにかく髪にやさしいシャンプーです。アミノ酸系のシャンプーよりも高級な洗浄成分が配合されているため、まるで美容液で髪を洗っているような感覚を味わうことができます。その理由は、PPTというのがポリペプチドというタンパク質加水分解物のことで、天然由来の高級洗浄成分だからです。
ポリペプチドは、アミノ酸で構成されている成分で、タンパク質よりも分子が小さいため、髪のトリートメント効果や、補修効果に優れ、コラーゲンをより高く浸透させることができます。シャンプーの成分表には、シルクタンパク質由来のラウロイル加水分解シルクナトリウムや、ケラチン由来のココイル加水分解ケラチンK、そして、コラーゲン由来のココイル加水分解コラーゲンKと記載されていて、タンパク質が何から由来された成分なのかによって、洗い上がりや使用感が異なります。